水虫の原因は、白癬菌というカビの一種である菌が皮膚に寄生することです。
この菌が皮膚に付着して感染すると、かゆみなどの症状が起こり、水虫と呼ばれる感染症になります。
白癬菌は、爪や手、顔、首、頭など、いたるところに感染して、かゆみや湿疹などの悩ましい症状を引き起こしますが、やはり、発症例が多いのは足でしょう。
日本人の4人から5人に1人が水虫を発症しているともいわれており、女性の水虫患者も少なくありません。
なぜ、水虫が足に起こりやすいのかというと、足は体の他の箇所に比べて不潔になりやすいですし、高温多湿な環境になりがちだからです。
それに、足が白癬菌のいるところに触れやすいということもあります。
たくさんの人が出入りするようなところを裸足で歩く機会が多く、靴を履いている時間が長いようなら、水虫になるのは時間の問題といっていいでしょう。
例えば、スーパー銭湯やスポーツクラブなどのバスマットはとても危険です。
4人から5人に1人が水虫なのですから、いつ水虫の人に遭遇してもおかしくありません。
もちろん、白癬菌が皮膚に付着したからといって、すぐに感染するわけではないですが、繁殖できる環境が整ってしまえば角質層に寄生されてしまいます。
靴の中は蒸れて高温多湿になりやすいので、長時間靴を履いている人は特に気をつけてください。
水虫はどこでうつる?
水虫って、どこでうつるのでしょうか?
最も危険な場所は、不特定多数の人がお風呂やシャワーなどの後に使うバスマットです。
高温多湿ですし、たくさんの人が裸足で踏むので、白癬菌が繁殖している可能性が高いでしょう。
また、畳やカーペット、フローリングの上を水虫の人が歩くと、白癬菌がばらまかれて他の人の足に付くこともあります。
裸足でなければ大丈夫だと思ってしまいがちですが、靴下を履いていても白癬菌はばらまかれてしまいますし、ましてやストッキングでは裸足とあまり変わりません。
ですから、靴を脱いであがるタイプの居酒屋や掘りごたつの店なんかも危ないわけです。
それに、スリッパを共有すると、スリッパから水虫がうつってしまうことがあります。
もし、家族に水虫の人がいれば、かなりの確率でうつされてしまうことでしょう。
その人が歩いた場所、全てが危険地帯になります。
そして、ペットを飼っている場合には、ペットからうつされてしまうということもあるようです。
水虫は完治するの?
水虫は完治できないというイメージが強いですよね。
治ったと思っても再発して、なかなか水虫と縁が切れないという人も少なくありません。
でも、水虫は適切な治療を行えば、完治できます。
完治できないのは、症状が一時的に治まったのを完治したのだと勘違いして、治療を止めてしまうからです。
また、水虫になりやすい生活習慣のせいで、治療によって一度は完治したのに、再び水虫に感染するということもあるでしょう。
例えば、毎日同じ靴を履いていたり、シャワーやお風呂の後に履いていた靴下をもう一度履いたりすると、水虫になりやすいですし、治りにくくなります。
水虫は一度治療したら、免疫ができるような感染症ではありません。
ですから、白癬菌が繁殖しているようなところに頻繁に行き、足を清潔に保つ努力をしていなければ、いくら水虫を治療しても何度でも感染してしまうのです。
例えば、スポーツクラブやプール、ゴルフ場、スーパー銭湯などに通っている人は、自宅に帰った後、ボディソープや石けんでよく足の指の間を洗って、しっかりと乾燥させるようにしましょう。
靴の中を衛生的に保ち、湿気を溜めないことも重要です。
水虫は市販薬で治せる?
水虫は市販薬で治せるのでしょうか?
近年では、以前は病院でしか処方されなかった薬が薬局で買えるようになっていますから、市販薬でも水虫を治すことはできます。
ただし、効き目の強い薬は高価なことが多いため、病院で医師の処方を受けた方が安く治療できるはずです。
水虫の治療は、かなりの長期戦を覚悟しなくてはいけません。
かゆみなどの症状が治まっても、白癬菌がまだ生きているからです。
なので、最低でも二ヶ月は治療する必要があります。
それに、水虫に症状がよく似ている皮膚病もありますから、かゆみや水泡があるからといって水虫だと決め付けず、皮膚科で診断を受けた方がいいでしょう。
もし、市販薬を使って症状が悪化してしまったり、なかなか改善しない場合には、使うのを止めて皮膚科を受診してください。
また、薬を塗るだけでなく、患部を清潔に保ち、通気性を良くすることや掃除機を頻繁にかけることも大切です。
五本指ソックスを履いたり、毎日同じ靴を履かないようにするのも、水虫の治療に役立ちます。
水虫に酢が効くの?
水虫に酢が効くという話はよくききますが、本当なのでしょうか?
実際にやってみて、酢で水虫が治った人も少なくありませんから、試してみる価値はあるかもしれません。
水虫の治療に酢を使う場合、穀物酢よりも、竹酢や木酢液を使うことが多いようです。
また、使い方も水で薄めた液に患部を浸したり、患部に直接振りかけたりと、諸説あります。
中には、病院で処方された薬と酢での治療を併用したという人もいますから、早く水虫を治したい場合にはやってみてもいいでしょう。
ただし、酢ですから、独特のニオイがするのは我慢する必要があります。
それに、人によっては効果がない場合もあるので、合わないと思ったら止めてください。
一週間くらい酢での治療を試してみても症状に変化がないようなら、皮膚科を受診して症状に合った薬を処方してもらった方がいいですね。
酢だけで水虫を治せたら安上がりですし、体にも負担が少ないですが、全ての水虫が酢で治るわけではありません。
あくまでも民間療法なので、頼り過ぎないようにした方がいいでしょう。
手が水虫になるって本当?
手が水虫になるって、本当なのでしょうか?
水虫は足しかならないと思われがちですが、実は、全身なってしまう可能性があり、手も例外ではありません。
足にできた水虫を触っているうちに、手に白癬菌がついて感染してしまうということもあります。
白癬菌が手についても、洗ってよく乾かせば、感染することはないでしょう。
でも、指輪や絆創膏をしていたり、皿洗いやお花屋さんのように、水をよく使う仕事についていると、繁殖する環境が整ってしまって感染しがちです。
必ずしもかゆみを伴うわけではないため、手荒れだと思ってしまうことも多く、適切な対処ができないまま、悪化していくこともあります。
手が水虫になってしまった時の特徴は、片手にしか症状が出ないことです。
手荒れなら両方の手に症状が出るはずですから、片方の手だけなんだか荒れている、かゆいという場合には、水虫を疑ってみてください。
また、水虫だと思ったら、異汗性湿疹だったということもありますから、素人判断で市販薬を塗ったりせず、皮膚科を受診することも大切です。
爪水虫の症状
爪水虫の症状としては、爪に透明感がなくなり、白く濁ったり、厚くなったりします。
褐色の濁りが出たり、黒くなったりすることもあるでしょう。
また、縦に筋がたくさん入るようになったり、爪がボロボロになって崩れてくることもあります。
時には、爪の周りに炎症が起こり、かゆみを感じることもありますが、大抵はかなり進行するまで自覚症状がありません。
症状が進行すると、爪の変形によって痛みを感じるようになり、歩けなくなってしまう可能性もあります。
足の水虫が足の爪にも感染して、どちらも治りづらくなることも多いです。
それに、近年では、付け爪やジェルネイルによって、手の爪も水虫になってしまうケースが増えています。
手の爪が水虫になってしまうと、体の他の箇所や周囲の人にうつす危険性が高くなりますから、早めに治療した方がいいです。
爪水虫は市販の薬では治せないので、皮膚科で医師の診断を受けて、治療薬を処方してもらってください。
きれいに爪が生え変わって、医師にもういいといわれるまでは根気よく治療を続けないと再発する恐れがあるため、焦らずに完治を目指すことが大切です。