成人病とは、乱れた生活習慣によって引き起こされる病気の総称です。
代表的な病気は、「がん」「心臓病」「脳卒中」などです。
第二次世界大戦後、この3つの病気で死亡する中高年の割合が多かったことから、成人病と呼ばれるようになりました。
しかし、生活習慣が大きく関係していることが分かってからは、生活習慣病と呼ばれています。
それでも、未だに成人病は中高年にならないと発症しないと思っている人が多いです。
確かに、中高年になると発症リスクが高まりますが、20代や30代といった若い世代はもちろん、10代の子供でも成人病になる可能性があります。
そのため、成人病は他人事ではなく、自分もなる可能性があると思って生活をしないといけません。
成人病を引き起こす原因は、以下の通りです。
- 食生活の乱れ
- 過度なストレス
- 運動不足
- 睡眠不足
どれも生活習慣が大きく関わっているのが分かりますよね?
この中でも、乱れた食生活は成人病を発症させるリスクを大幅に高めてしまう原因になります。
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成人病ってどんな症状が出る?
成人病は気づくのが遅れると、命を落とす危険があります。
そのため、早めに気付き、治療を行うというのが大切です。
成人病になると、以下のような症状が出ます。
- 体重の増加および減少
- 食欲促進
- 甘い物が食べたくなる
- 喉が渇きやすい
- 視力の低下
- 立ちくらみ
- 尿の回数の増加
- 残尿感
- 痛みに鈍くなる
- だるい
- 疲れやすい
- 足のむくみ
- 手足のしびれ
- 動悸
- 不眠
- 肩こり
- 頭痛
こういった症状が現れた場合は、成人病の疑いがあると思ってください。
高血圧を発症している場合は、動悸や不眠、肩こり、頭痛といった症状が出ることが多いです。
糖尿病の場合は、喉の渇きや全身のだるさ、視力低下、体重の減少、尿の回数の増加といった症状が現われます。
成人病になると様々な病気を誘発してしまうので、注意してください。
また、成人病の初期症状は非常に分かりにくいため、普段の生活では気づきにくいといわれています。
気付いた時にはもう症状が悪化しているケースが多々あるので、定期的に検診を行うようにしてください。
成人病センターってどんな施設?
成人病について調べていると、「成人病センター」という施設のことを目にするはずです。
では、成人病センターとは、一体どのような施設なのでしょうか?
成人病センターは、がんや循環器病などの成人病治療を専門に行っている施設のことです。
最新の医療設備が整っているので、他では治療できないような場合でも、ここでなら治すことができるかもしれません。
そのため、がんになった場合に、検査を受けた病院から成人病センターを紹介されることもあります。
そして、成人病センターでは成人病の研究を行っており、効果的な治療法を開発しています。
現在、成人病になっても、症状が軽ければ命を落とす危険は少ないです。
これも成人病センターの研究のおかげだといっても過言ではありません。
成人病センターが存在しているからこそ、成人病が治せる病気になったといっていいでしょう。
仮に成人病になってしまった場合、お近くにある成人病センターに相談されてみてはいかがでしょうか?
解決策を一緒に考えてくれるはずです。
成人病検診はどんな検査をするの?
成人病検診は、毎年一回受けた方がいいといわれています。
会社員の方であれば、一般的に職場に検診車がやってきて検診を行っていることが多いです。
成人病検診では、問診、身体測定、体脂肪検査、血圧検査、視力検査、聴力検査、血液検査、尿検査、心電図検査、X線撮影などが行われます。
また、近年、メタボ検診も追加されるようになりました。
メタボ検診というのは、メタボリックシンドロームの疑いがないかを調べる検査です。
メタボリックシンドロームだと、成人病の発症リスクが大幅に上がります。
最近、太ってきたかもと感じている人は、メタボリックシンドロームの可能性があるので、問診時に相談してみてはいかがでしょうか。
会社員なら会社が健康診断を行ってくれますから、定期的に健康状態を確認することができますが、自営業やアルバイトの方だと自分で成人病検診を受けに行く必要があります。
成人病検診を行っている医療機関を探して、1年に1回のペースで受けるようにしましょう。
どうすれば成人病を予防できる?
成人病を予防するには、以下のようなことに注意してください。
- 栄養バランスのいい食生活を意識する
- 適度な運動をする
- 十分な睡眠時間を確保する
- ストレスを溜めない
偏った食生活は成人病リスクを高めてしまうので、栄養バランスのいい食生活を意識することが大切です。
肉ばかり食べずに、魚や野菜もきちんと食べるようにしましょう。
それに、満腹まで食べるのではなく、腹八分目に抑えたり、塩分を控えるというのも、成人病予防に効果的です。
肥満は成人病の原因になるので、適度な運動をするようにしてください。
ハードな運動は体への負担も大きいため、長時間余裕を持って続けられるものを選択するといいですね。
睡眠時間が不十分だと成人病になりやすいので、毎日しっかりと7時間程度寝るようにしてください。
ただし、睡眠の取りすぎも体に悪いといわれていますから、寝すぎにも注意しましょう。
そして、ストレスも成人病の発症リスクを高めるので、できる限りストレスを溜めない生活を送るようにします。
こういったことに気をつければ、成人病を予防できるはずです。
成人病と遺伝って関係あるの?
成人病は遺伝するのか、不安に感じている人も多いと思います。
結論からいうと、成人病は遺伝する可能性があると思っていいでしょう。
家系内に成人病の人がいる場合、通常より自分もなる可能性が高いです。
ただ、100パーセントなるという訳ではなく、あくまでも可能性が高くなるという話です。
親が成人病だった場合、その子供も成人病になる可能性は高いですが、だからといって絶対になるという訳ではありません。
ならないケースだってあるので、それほど深刻に考える必要はないですが、なりやすい体質というのを理解しておきましょう。
そして、それよりも注意しないといけないのが、生活習慣です。
成人病の人と一緒に生活をしているということは、成人病になりやすい生活を送っているということなので、気をつけないといけません。
成人病は生活習慣が原因で発症するため、なりやすい体質の人は十分に注意してください。
逆にいうと、成人病になりやすい体質でも生活習慣さえ気をつけていれば、発症を防げるということです。
成人病とタバコは関係ある?
成人病とタバコには、大きな関係があります。
タバコを吸われている人の方が、成人病の発症リスクが高くなるのです。
そのため、成人病を予防・改善したい場合は、禁煙するようにしましょう。
では、どうしてタバコを吸うと成人病になりやすくなるのでしょうか?
それは、タバコに含まれているニコチンによって、血管が収縮してしまい、血圧が上がるからです。
血圧が上がると、動脈硬化や高血圧といった病気を発症させてしまいます。
さらに、中性脂肪および悪玉コレステロールを増加させ、血栓を作りやすくする働きもあります。
タバコには有害物質がたっぷりと含まれているので、体に悪影響しか及ぼしません。
適量のお酒であれば、動脈硬化を防ぐ作用もありますが、タバコを少量に抑えたところで何もメリットがないです。
現在、禁煙ブームということもあって、様々な禁煙グッズが販売されています。
これらのものを使用して、一刻も早く禁煙を行ってください。
もし、それでも禁煙できない場合は、病院で治療を行うというのもいいでしょう。
成人病にはどんな運動がいいの?
成人病を予防・改善するのに重要なのが、運動です。
運動をすることによって血圧を安定させることができますし、糖尿病や脂質異常症の改善もできます。
さらに、肥満予防やストレス発散にも繋がるので、成人病には運動が一番です。
そして、成人病に最もいいのが、有酸素運動のウォーキングです。
酸素を体内に取り込みながら行う有酸素運動は、成人病予防に非常に効果的だといわれています。
また、ウォーキングであれば体力が無い方でも長時間続けることができますし、思い立ったらすぐにでも始めることができます。
ただ、週に1回や2回では効果が薄いので、できる限り毎日行うようにしてください。
時間は1日30分以上を目安にしましょう。
体に少し負荷をかけるためにも、いつもよりも歩幅を大きくして、腕を自然に振るようにしてください。
かかとから着地して、地面を蹴るようにして歩くということや背筋を伸ばして胸を張るというのも、ウォーキングをするのにあたって重要です。