メニエール病とは、突然ぐるぐる回るような激しいめまいが発生する病気のことです。
めまいの他にも、吐き気、耳鳴り、冷や汗といった症状も現われます。
このような症状が30分くらい続きますが、ひどい場合は数時間ずっと続くこともあるでしょう。
そして、めまいが良くなると、その他の症状も改善するというのが特徴です。
メニエール病になると、こういった症状が一度限りでは無く、何度も繰り返されます。
男性患者も増えていますが、30代~40代の女性に多く見られる病気です。
メニエール病が発症すると日常生活に大きな支障をきたし、快適な生活を送ることができなくなります。
そのまま症状を放置してしまうと悪化することがほとんどなので、早めに病院に行って治療を受けられた方がいいです。
単なる疲れからくるめまいだと勘違いしてしまいがちですが、メニエール病だという可能性も考えて、念のために検査を受けるようにしましょう。
疲労が蓄積されている人、神経質な人、ストレスが溜まっている人、睡眠不足の人はなりやすいといわれています。
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メニエール病気の原因
病気を治すためには原因を把握し、それを改善することが重要です。
では、メニエール病の原因は何なのでしょうか?
実は、メニエール病がどうして発症するのかはいまだに解明されていません。
そのため、原因不明の難病に指定されているのです。
ただ、今のところ、内耳にあるリンパ液の増加が大きく関係していると考えられています。
しかし、どうしてリンパ液が増加するのかというのは分かっていません。
リンパ液が増加すると、内耳で水ぶくれが生じて、身体のバランスが乱れてしまいます。
そうすると、激しいめまいや吐き気といった症状が現われるという訳です。
いまだにハッキリとした原因は分かりませんが、命に関わるような病気ではないため、メニエール病で死にいたることはありません。
ただし、だからといって、放置してしまうと聴力を失う危険があるので、早めに治療を行った方がいいです。
また、治療が遅れてしまうと、手術をしないといけなくなったり、回復が難しくなる場合もあります。
めまいがするとメニエール病なの?
めまいがするとメニエール病の可能性がありますが、だからといって100パーセント決まった訳ではありません。
めまいはメニエール病にならなくても起こることがあります。
疲労が溜まっていたり、ストレスが溜まっていたり、体調が悪かったりすると、めまいが起きることもあるでしょう。
そのため、めまいがするからといって、絶対にメニエール病だと決め付けるのは早いです。
まず、メニエール病のめまいは回転性のぐるぐるするめまいなので、これ以外のめまいはメニエール病とは関係がない可能性があります。
そして、時間にするとだいたい30分ほど続き、長い場合だと数時間続くかもしれません。
さらに、嘔吐や耳鳴り、冷や汗、顔面蒼白、頻脈といった症状も伴います。
めまいの他にこのような症状も現れた場合は、メニエール病の疑いがあるので、早めに病院で検査を行ってください。
症状が出ても我慢してしまい、悪化してからようやく病院に行くケースも多いです。
そうすると、治療が困難になり、改善しづらくなるため、少しでも不安を感じたら医師に相談するようにしてください。
メニエール病は完治するの?
メニエール病を発症した場合、一番気になるのが完治するのかどうかですよね?
結論からいうと、完治させるのは難しいと思ってください。
なぜなら、メニエール病は原因不明の病気なので、完治にいたる治療法が確立されていないからです。
また、治ったと思っても、また再発する可能性があります。
メニエール病患者の中には、完治したと思って油断していたら再発したという人もいるので、完治できる病気だとは思わない方がいいでしょう。
ただ、完治は難しくても、症状を改善させることは可能です。
病院で適切な治療を受けることによって、効果的に症状を和らげることができます。
発見が早い段階であれば、症状を改善できる可能性が高いため、早期発見・早期治療がメニエール病治療の鍵となるのです。
仮に、発見が遅れてしまったり、自覚症状が出ていても治療を行わなかった場合、治療が困難になってしまう恐れがありますから注意しましょう。
そして、途中で諦めずに根気強く治療を続けるというのも、メニエール病治療で大切なことです。
メニエール病にはどんな治療法がある?
メニエール病の治療法は、以下の通りです。
- バイオプレート治療
- 薬物療法
- 手術
バイオプレート治療とは、バイオプレートと呼ばれるマウスピースを使用して、下顎を矯正する治療法です。
下顎のずれを矯正することで、メニエール病の症状を改善できるといわれています。
即効性がある、副作用がない、通院回数が少なくて済むといったメリットがありますが、その効果には個人差があり、症状が重い人には効果があまりないこともあるでしょう。
メニエール病の薬物療法では、抗ヒスタミン剤、鎮静剤、内耳循環改善剤、自律神経調整剤、利尿剤といった薬が使用されます。
これらの薬は、発症してすぐの場合には大きな効果を発揮しますが、定期的に病院に通わないといけません。
また、薬による副作用にも注意が必要です。
症状が重くて今のままだと生活ができないという場合は、手術を行うこともあります。
メニエール病の症状を効果的に治すことができますが、手術による副作用も考慮しないといけません。
それに、手術となるとお金もかかるので、他の治療法とは違って気軽にはできないでしょう。
メニエール病はどんな薬が処方される?
メニエール病で処方される薬は、以下の通りです。
- メニエール病改善剤
- 利尿剤
- 抗めまい剤
- めまい治療薬
- 鎮暈剤
- 代謝賦活剤
- 循環系作用酵素製剤
- 抗不安薬
- 精神安定剤
- 自律神経調整剤
メニエール病改善剤とは、その名の通り、メニエール病の症状を効果的に改善できる薬です。
イソバイドやイソバイドDS7g、メニレット70%ゼリーといった薬がメニエール病改善剤に含まれます。
利尿剤もメニエール病に効果があるといわれており、ラシックスやダイアモックスといった薬を処方されることが多いです。
めまいの症状を軽減するために、イソメニールやセファドールといった抗めまい剤も処方されます。
また、めまい治療薬として、メリスロンが処方される場合もあるでしょう。
悪心や嘔吐を伴う場合は、トラベルミンやドラマミンなどの鎮暈剤が処方されます。
めまいを改善するためにアデホスコーワなどの代謝賦活剤、末梢循環障害を改善させるために循環系作用酵素製剤を処方されることもあるかもしれません。
この他にも、心を落ち着かせるために抗不安薬や精神安定剤、自律神経を整えるために自律神経調整剤が処方されるケースもあるでしょう。
メニエール病の治療で有名な病院
メニエール病は治療が難しい病気なので、病院選びが非常に大切になってきます。
治療実績がないところに通っても症状が改善しにくいので、十分な実績・経験がある病院に通うようにしてください。
例えば、次のような病院は、メニエール病の治療で有名です。
- バイオクリニック
- 横浜中央クリニックめまいメニエール病センター
- 横浜市立みなと赤十字病院
この3つは、日本全国から患者さんが訪れるメニエール病治療で有名な病院です。
バイオクリニックでは、マウスピースを使った治療を行っています。
このマウスピース治療は非常に効果があり、初期~中期段階であれば改善する確率が高いです。
その実績からバイオクリニックには、年間約1000人のメニエール病患者が訪れるといわれています。
また、横浜中央クリニックめまいメニエール病センターは、薬物療法や手術を行わずに治療を行うというのが特徴です。
医師のアドバイスに従って、生活習慣を見直すことで症状が改善します。
そして、横浜市立みなと赤十字病院には、めまい治療の専門家が在籍しており、薬を飲んで症状が改善しなかったというメニエール病患者でも、ここで治療を受けたら改善したケースが数多くあります。
メニエール病でも仕事はできる?
メニエール病になった場合、仕事を続けることができるのか不安になると思います。
いつ症状が現われるのか分からない病気なので、仕事中にめまいや耳鳴りなどが起こるかもしれません。
そのため、仕事を続けるのが困難になりますが、だからといってできない訳ではありません。
メニエール病患者の中には、仕事を続けている人がたくさんいます。
症状さえ現れなければ普通に仕事ができるため、極力症状が出ないように努力することが大切です。
ただ、自分1人の力では限界があるので、職場の人の理解も必要になります。
職場の人たちがメニエール病という病気を理解しないと、陰口などを言われる可能性もあるでしょう。
そうなると、働くのが辛くなるので、職場の理解が必須だと思ってください。
長く仕事をしたいと思うのであれば、隠さずに素直にメニエール病だということを伝え、どのような症状が出るのかや完治が難しいということを理解してもらいましょう。
しかし、乗り物を運転するような職業は、メニエール病だと続けることができません。